オトメの魔法
女の子は目を丸くします。

確かに女の子の立つ場所は柵でおおわれて,近くには家も見えました。

ーごっごめんな,さい…

女の子はしゅんとして,勢いを無くしてしまいます。

『そっちが突然庭に出てきたんでしょ。ほら,早く』

ーでっでも,私帰れないの

『それって,俺になんか関係あるの?』

なんていじわるな人。

女の子は悔しそうにして,けれどじっと目の前の人の目を見つめ返しました。

この人も,同じ顔。

悔しいことに,王子や妖精と全く同じ顔をしていました。

それになにやら,憎たらしいのに憎めません。

寧ろ許してしまっている自分がいました。

ーあなたは,そんなところで何をしているの?

『別に,森を見てただけ。普段はきこりをしてる』



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