断罪された真の聖女の愛情たっぷり癒しご飯


「残ったブルーベリーと他のベリーたちは後でシロップに漬けて保存しましょう」
 マドレーヌを冷ましている間にリズは夕飯の支度にも取り掛かる。

「そういえば、魚の代わりに住人の方がビーツをお裾分けしてくださったみたいなので、ビーツのマッシュポテトと、あとは地下の冷蔵室にあるソーセージを使ってキャベツとソーセージの白ワイン蒸しにしましょう」
 厨房隅の床には、蓋を開けると半地下の冷蔵室へ続く入り口がある。
 リズは蓋を開けて階段を下りると、ソーセージを取りに行った。冷蔵室は薄暗いので灯りを便りに食材を探す必要がある。
 ここにあるのは調味料や小麦粉、保存食などが保管されていて、保存食の棚には数日前に買い置きしておいたベーコンやソーセージが置かれている。

 ソーセージはノーマルのものとハーブが入ったものがあり、今回はキャベツの味を引き立てたいのでノーマルのものを選んだ。
 階段を上がって厨房に戻ると、アクアとヴェントが洗い物を終わらせてくれていた。何も言わなくても二人はリズが使った食器類を綺麗に片付けてくれるので大変ありがたい。
(角砂糖を追加でお礼しないといけませんね)

 三人の働きぶりに感謝しつつ、調理台に戻るとまずはソーセージとキャベツの白ワイン蒸しから作ることにした。

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