エンドロールの先でも君を恋うから
そんなにすぐバスケを切れるのか、と驚いたが、そうではなくて。
「...っな、んで」
いつもの面会時間よりも早く来た日、優羽の本音が少し隙間の空いた個室から漏れた。
真っ白な床で弾むバスケットボールは、次第に音の間隔が縮んでいく。
...平気なわけないだろ。
今までなんともなかったはずなのに突然病気だって宣告されて、しかも治らないなんて。大好きなことはなにもできなくて。
信じないでどうする、なにが絶望だ。俺がすることはそんなことじゃない。
罪の無い人だって無条件に闇に突き落とされることだってあるように、神に頼んだって見てはくれない。
優羽の分までバスケをする。
そう左手に付けたミサンガに誓った。
“外出許可降りたから、いつもの喫茶店に行きたいな”
まだ外に出ると寒さで手がかじかむ。優羽から送られてきたメッセージに首を傾げたのは昨日の夜のこと。
月に一度の外出は彼女と出かけるはずなのに。
喫茶店の前で待ち合わせることになった俺は通り過ぎていく車をぼんやりと眺めている。
その数分後、どこかで見覚えのある女の子が同じように横に立っていた。