エンドロールの先でも君を恋うから

「で、桜名さん、ちゃんと芹沢と学校来た?」


「ちゃんと並んで歩いたよ」



これは由良くんからの命令で、「俺は朝練だから芹沢と学校行け」と、あの日の帰り道に言われた。




───桜名さん、どっかに消えていなくなりそうだから




あの言葉は本気で言ったのか冗談なのかは分からないけど、本当に心配してくれているのは伝わった。



こうやって面と向かって話さなかったら、由良くんの百点満点の優しさを知ることは無かった。



気づけば怖いイメージなんてどこかに飛んでいって、私の中の由良くんは80%が優しさでできてると思っている。



残りの20%は…ちょっとよく分からない。言ってしまえば、私達が知り合ってからまだ数日しか経っていない。



まだ知らない由良くんがたくさんいるはず。その20%が、知りたいと思った。




「ま、元気そうでよかった」


「由良!弥衣の頭撫でるなら一万円」


「月穂、ぼったくらない」




「…皆、ありがと」




私はこっそり目の前の三人に呟いた。どうしてか気づいた由良くんの、一瞬緩やかになった目元にはずっと叶いそうにない。
< 51 / 238 >

この作品をシェア

pagetop