エンドロールの先でも君を恋うから
「で、桜名さん、ちゃんと芹沢と学校来た?」
「ちゃんと並んで歩いたよ」
これは由良くんからの命令で、「俺は朝練だから芹沢と学校行け」と、あの日の帰り道に言われた。
───桜名さん、どっかに消えていなくなりそうだから
あの言葉は本気で言ったのか冗談なのかは分からないけど、本当に心配してくれているのは伝わった。
こうやって面と向かって話さなかったら、由良くんの百点満点の優しさを知ることは無かった。
気づけば怖いイメージなんてどこかに飛んでいって、私の中の由良くんは80%が優しさでできてると思っている。
残りの20%は…ちょっとよく分からない。言ってしまえば、私達が知り合ってからまだ数日しか経っていない。
まだ知らない由良くんがたくさんいるはず。その20%が、知りたいと思った。
「ま、元気そうでよかった」
「由良!弥衣の頭撫でるなら一万円」
「月穂、ぼったくらない」
「…皆、ありがと」
私はこっそり目の前の三人に呟いた。どうしてか気づいた由良くんの、一瞬緩やかになった目元にはずっと叶いそうにない。