エンドロールの先でも君を恋うから

「文句は無し!一回勝負!」



そう口に出してしまった月ちゃんはどうにも後に引けず、勝ち誇った顔をする由良くんを睨みつけながら私たちよりも数段高い座席に向かっていった。



...由良くんはここの席で良かったのかな。ここ、結構前だし端だし、見づらいかもしれない。



「大丈夫だよ多分寝るから」


「...寝ちゃだめだよ」



どうして言いたいことが伝わるんだろう。もしかして油性ペンで頬にでも書いてあったり、と鏡を取り出そうとしたけれど、そんなわけがないと椅子に座り直し冷静になる。



...でももし本当に考えることが透けて見えてたら、恥ずかしくて何も考えられそうにないかも



私にそんな力は無いけど、由良くんは私の隣に座れたらそれでいい、って思っているに違いないのだ。



これは、私を好いている、とかそういうのじゃなくて。



「…さすがに映画中に消えちゃったりしないよ?泡じゃあるまいし」



私が由良くんの手を離さないせい。



一瞬動きが止まって、ほんの少し見開いた目が私をとらえる。



その瞳が肯定だって教えてくれた。



こういう時すぐに目を逸らす由良くんは、意外と分かりやすい。
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