プリザーブドLOVE  ~けっして枯れない愛を貴女に~
 わたしがそう締めると、田所は見るからにほっとした様子で、「では」と言って、そそくさと荷物をまとめて、出口に向かった。

「あの、至らないことばかりで、本当、すみませんでした。課長は明日まで休みの予定なんで、明後日にかならず連絡いたしますので」

「わかりました。お待ちしてますね。遠いところ、ありがとうございました」

 田所はまた、頭が膝につくのではないかというほど、深々とお辞儀をして、扉に向かった。

 ドアの取っ手に手をかけたとき、急に振り向くと
「でも、佐久間さんが優しい方で、本当、ありがたかったです」

 そう言って、ちょっと心に残るような、いい顔で笑った。

 屈託のない笑顔の見本のような……

 間違いなく、性格は良さそうだ。

 エレベーターホールまで彼を見送り、応接室にもどった。
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