花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「社長とは知らず、いろいろ差し出がましいことをして本当に申し訳ございません」
パニックになりながら謝罪して深々と頭を下げようとしたら、岡本さんに止められた。
「ちょっと待った。謝らないでくれる?隠していたのは俺だし、藤森さんはなにも悪いことしてないよ。それに、そんな畏まらなくていいから」
「でも、一二三の社長ですよ」
日本を代表するような大企業の社長。普通なら直接話もできない相手。
「藤森さんだって、神宮司グループの理事長の孫娘じゃないか」
一之瀬さんの指摘にトーンダウンする私。
「そ、それはそうですが、私は十八歳までは神宮司なんて知らずに普通の家庭で育ったので……」
「でも、神宮司の理事長に結婚相手を見つけるよう言われてる。俺が結婚相手じゃダメかな?周囲を黙らせるための婚約者って形でもいい」
岡本さんは私穏やかな目で見つめて妥協案を提示する。
「婚約者……」
ポツリと呟いて考える。
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