花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「多少強引な方が女は喜ぶものだ」
「勘違いも甚だしい。今すぐここから立ち去らないと警察を呼びますよ」
「怖いねえ、その顔。昔は無表情だったのに変わったな」
どこか面白そうに頬を緩めるラドクリフを見て、ゾクッと寒気がした。
それに、この人……蓮を知っている。
一体何者なのよ。
若干震えながらラドクリフに目を向けていたら、蓮が言い返した。
「アストルムの副社長が日本人の女の子をナンパするなんて、余程仕事が暇なんですね。いつからそんな女好きになったんですか?」
アストルムって世界第二位の製薬会社じゃない。
その副社長に私を勧めるっておじいちゃんなに考えてるの?
「ふん、言ってろ。今日は引くが、俺は諦めないぞ」
鋭い眼光で蓮を見据えると、ラドクリフは少し先に停まっていたタクシーに乗ってこの場を去る。
彼の姿が消えると急に身体の力が抜けてヘナヘナと地面に崩折れた。
「ちょ……花音!」
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