花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
慌てて話題を変えると、蓮は茶目っ気たっぷりに笑った。
「ああ。特に揉めてはいないから安心して。それに、向こうはどう思ってるか知らないけれど、俺は彼を気に入ったよ。それで、彼が言うにはもうひとりの夫候補は俺じゃないかって」
「蓮が?」
彼の話に驚きを隠せなかったが、さらに衝撃的なことを言われた。
「うん。それで俺とラドクリフを競わせようとしてるんじゃないかって」
「おじいちゃん、なに考えてるのよ!」
小さく毒づくが、ラドクリフの言葉を思い出してハッとした。
「ひょっとして蓮も祖父に会いました?」
「うん。特に花音を嫁にどうだとかいう話はなかったけど、神宮司理事長に挨拶されたよ」
蓮は落ち着いた声で話すと、スーツのジャケットを脱いで私の肩にかける。
「とりあえず帰ろう。このままだと雨に濡れて風邪を引く」
「はい」
コクッと頷く私をそばに停まっていた黒塗りの社用車に乗せる。
「私……社用車に乗ったの初めてです。やっぱり豪華ですね」
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