花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
8,彼との甘い休日
「花音、起きて。出かけるから」
次の日、朝七時に蓮に優しい声で起こされ、彼の車で二時間半かけてやってきたのは、茨城にあるとある公園。
観覧車やジェットコースターが見えて、「遊園地で遊ぶんですか?」と尋ねたら、彼は首を横に振りながらシートベルトを外す。
「今日はどちらかというと景色を楽しみに来たんだ。もちろん花音が乗りたかったらアトラクションも楽しもう」
私もシートベルトを外し、車を降りて入園すると、自転車をレンタルして園内を散策。
空は青いし、そよ風も吹いていて、絶好のお天気。
「自転車なんて高校以来ですよ」
クスッと笑いながらそんな話をしたら蓮も小さく頷いた。
「俺も大人になってから乗った記憶がない」
園内には赤、黄色、ピンク、紫といった色とりどりのチューリップの花が咲いていてテンションが上がった。
「チューリップ見ると、なんだか童心に帰りません?小学生の時に育てたせいかなあ。見ていて心がウキウキする」
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