花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
「ええ」
即答する私を見て彼はフンと鼻で笑った。
「あいつがどんな非情なやり方で薬を開発しているか知らないだろ?」
「非情なやり方?」
意味がわからなくて首を傾げながら彼に詳しい説明を求める。
「一二三がたった三年で開発したがん治療薬、あれを開発するためにギニアを実験場にして人体実験を行っていた。それは、今も継続している」
戦時中の生物兵器の実験じゃあるまいし、そんなことが起こるはずがない。
「私は一二三の研究員ですが、そんな実験は行っていません」
はっきり否定するが、彼は自分の主張を曲げなかった。
「一部の人間にしか知らされていないからじゃないのか?普通新薬を開発するのにじゅ十年前後の歳月と何百億円という費用がかかる。それをたった三年で開発するなんて不可能だ」
確かに常識ではそうだけれど、蓮の有能な頭脳があったからだと思う。
「いいえ、それは蓮たちが日々努力して作り上げたものです」
声を大にして言うが、彼は冷ややかな口調で反論した。
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