花婿候補は完璧主義の理系御曹司!? 〜彼の独占欲には抗えません
12,幸せになります
次の日の午後一時に日本に帰国した私と蓮。
到着ゲートを出ると、なぜか浩ちゃんがいて驚いた。
「あれ?浩ちゃん、今日オペじゃなかったっけ?」
「今日は別の奴に代わってもらった。じいさんが危篤なんだ」
浩ちゃんの言葉を聞いてもすぐに理解できなかった。
「おじいちゃんが……危篤?」
数日前まで普通に出歩いていたのに?
頭の中が真っ白。
実感がなにもない。
なにか悪い冗談では?
そう思おうとしたが、浩ちゃんの顔は真剣だった。
「俺たちに内緒で治療を受けてたらしいんだが、胃ガンだってさ。もう全身に転移していて助かる見込みはないらしい。持っても今日か、明日までだ」
浩ちゃんの言葉にショックを隠せない。
おじいちゃんが死ぬ?
はっきり言って祖父はあまり好きでないし、今回のことでいっぱい文句を言いたいけれど、死なれては困る。
「おじいちゃん……」
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