ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 一度、休憩をすることにしたらしいマルは、パタパタと厨房の方に飛んでいった。シアもゆっくりとあとを追う。

(いつまでも、こうやって過ごすことができればいいのに)

 いずれ、離宮からは出ていくつもりである。いつまでもエヴァンドロの厚意に頼るのもよくないだろう。
 たしかに最初は、『野垂れ死ぬかもしれない』とエヴァンドロを脅したが、今ではちゃんと自活できるようになった。たぶん。
 ベラの店で働けなくなったとしても、なんとかやっていけると思う。

(んー、いっそ本当に上階を借りるのもありかも)

 あの店はベラがポーション屋を開く時に買い取ったもので、昔は上階で店主が暮らしていたらしい。最低限、生活できるだけの設備は整っているから、借りるというのはいい考えかもしれない。

(エドさんとアキさん元気かなぁ……)

 ベラの店に行っても、最近ふたりの顔を見ていない。なんだか寂しいような気もする。次は会えればいいけれど、なんて考えながら厨房に足を踏み入れようとしたところで、入り口の扉が激しく叩かれているのに気付く。

(誰だろ……?)

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