ポケットの中のおもいで
「ど,どうしよう」


そんなに大変なことになるなんて,思ってもいなかった。

私は海月よりも先に泣いてしまいそうになる。



「うん。だから」

「なに?」

「私の事,誰にも言わないでくれる?」



言わないで,と海月の瞳が言っている。



「人間が私たちのことを誰かに話したら,すぐに伝わるんだって。それに……」



まだ,何かあるの? 私は海月の言葉をじっと待った。



「私,ぼうきゃくの魔法,難しいからまだ得意じゃなくて…先生には褒められるんだけど…」



ぼうきゃく!? よく分からないけど,凄そうだ。

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