I will love you forever
着付けとヘアメイクが終わると、「旦那様がいらっしゃいましたよ」と声をかけられました。そして、襖がスッと開いて紋付き羽織袴を着た旦那様となる藍沢創(あいざわそう)さんが姿を見せます。

創さんの和服姿はお付き合いをしている時に何度か目にしたことはありましたが、今日は一段と輝いて見えます。ボウッと彼に見惚れていると、「そんなに見られると照れる」と苦笑しながら言われました。

「白無垢、とてもよく似合ってるよ。綺麗だね」

幸せそうに微笑みながら創さんは言い、私の頰をそっと撫でます。それだけで、私の想いはまた大きくなってしまうのです。

「創さんも、とても素敵です。輝いて見えます」

「桜にそう言われるとすごく嬉しい。どんな人の褒め言葉よりも、桜に言われた方が嬉しいな」

二人でお互いを褒め合って照れていると、式が始まる時間となりました。結婚の儀を告げる雅楽が演奏される中、斎主さんと巫女さんに先導されて御社殿まで歩き、入場します。
< 2 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop