あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「今日の私、(すんご)い頑張った♥」

 めちゃめちゃ気分が良いではないか。

 ずっとほぼ同じ姿勢でパソコンに向かっていた身体がギシギシと(きし)んで、グーンと身体を伸ばしたのとほぼ同時。

 グゥーッとお腹の虫が鳴いて、羽理(うり)は昼過ぎに起きて来てからこっち、二〇〇ml入りのいちごオレしか口にしていなかったことに気が付いた。


「さすがにお腹空いた……。コンビニに何か買いに行こうかな」

 一生懸命頭を使ったので、正直自炊する気力は皆無だ。

 こういう時二十四時間いつでもウェルカムなコンビニの存在は本当に有難いなと思って。

(今の時間帯ならスーパーもまだ開いてるよね)

 時計を見ると十九時を回ったところ。
 コンビニと違ってスーパーだとお弁当やお惣菜は残り物がタイムセールになっている時間帯だ。

 でも、それだけに選べる種類に限りが出てしまう。

(やっぱコンビニにしよ♥)

 一番近くのコンビニ『セレストア』まで徒歩五分。

 ちょっとそこまで、の距離ではあるけれど、お出かけするとなるとそれなりの格好にしなくてはいけないだろう。

 そんなことを思ってふと見れば、いつもパジャマにしているLサイズ(おおきめ)Tシャツのまま、着替えてすらいなかった。

(わ〜、私。いくら彼氏が居ないからって干物すぎるっ)

 とても絵空事の中で胸キュンドキドキな、(エッチな)恋愛ものを書いている人間の所業とは思えない。
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