深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
思ったことをそのまま口に出してしまうけど、悪い人ではない。むしろ、とても良い人だ。

「高林さん、ありがとうございます」
「ホッとしましたよ。これで、お互い彼氏の話ができますね! やっぱり彼氏さん、未練があったんですね。一途に中田さんを想っているなんて、素敵です」
「一途?」
「そう、一途ですよ。別れてからもずっと好きでいたんですから、強い想いがあったんですよ。すごいなー」

高林さんは何度も感心して、すごい、すごいと言っていた。

私は、高林さんに言われた彼の一途な想いを心の中で振り返った。

別れてから、何度か会った恭也からは未練を感じた。まだ別れたばかりだから、私と同じで気持ちを消すことができていないと思った。

恭也は再会してから、ずっと変わらずに私を好きでいてくれた。それこそ、高校時代から続いているような気持ちだった。

こんなにも好きでいてくれる。

あらためて、私を諦めないでいてくれた彼の想いには感心してしまう。

「すごいな……」
「そうです! すごいですよ」

高林さんの興奮は、この日の仕事が終わるまで続いていた。
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