深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
しーんとする中で、郁人兄ちゃんが声をあげた。

「おいおい、ここでいちゃつかないでくれよ」
「すみません。さやかが可愛すぎて、つい」
「さやかがかわいいのは、認めるよ。でもさ、そういうことは見えないところでやってくれない?」
「はい! では、見えないところで、愛でます」
「は?」

恭也の『愛でる』宣言に、家族みんなが唖然とする。

私は肩に乗っている手を振り払い、キッと恭也を睨んだ。彼はキョトンとしていた。

「さやか、どうした?」
「どうしたじゃないよ。どうして、そんな恥ずかしくなることばかり言うの」
「さやかのことがどれだけ好きか、アピールしようと思って。俺がこんなにも想っていることを知ってもらおうと……」
「あー、もう……何も言わないで。結婚の承諾は得れたのだから、もういいんだよー」

私はまた接近しようとする恭也の胸を押した。彼は「えっ?」と固まる。

何かおかしなことがあっただろうか?

「俺たちの結婚、認めてもらえたの?」
「そうよ。反対する理由がないって、お父さんが言ったよ?」

聞いてなかったの?
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