深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
信じていれば、二人が想い合っていれば、どんな困難でも乗り越えられると思っていた。

だが、そう上手くいかないみたいだ。

翌週、恭也が出張で不在の夜に女性が訪ねてきた。「小野田(おのだ)」と名乗られ、恭也の父親の奥さんだとわかった。

部屋にあげるか、下の住民共有ラウンジで会うか迷った。大事な話をさせてほしいと言われ、リビングに通した。

紅茶をソファに座る小野田さんの前に置き、向かい側のソファに腰を下ろした。

「突然訪ねて、ごめんなさいね。私は小野田典子(のりこ)といいます」
「あ、私は中田……」
「知っています。中田さやかさんよね? 恭也さんとここで暮らしているのね」

典子さんは室内をザッと見渡して、ふたたび私を見た。古谷さんと似た雰囲気のある上品できれいな女性だ。

自分とは違う人種のように思えたが、即座に同じ人間だと思い直す。

だから、怖いことは何もないと自分を奮い立たせたつもりだった。

「申し訳ないけど、ここから出ていってもらえないかしら?」
「えっ、どういった意味で……」
「恭也さんと別れた方があなたたち二人のためになるわ」

絶句した。
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