深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
「もちろん話したけど……受け入れてもらえなかった。父親たちはまだ飲むから、俺と古谷さんは帰るように言われた。俺はタクシーで帰ろうとしたんだけど、古谷さんちの車に乗せられてしまった」

恭也が古谷さんと帰ってきた理由が、やっとわかった。

今の恭也の立場では、父親たちに反論するのは難しいだろう。それでも、言うべきことは言った。これからも縁談に関しては、断り続けるという。

私が恭也に対して、できることは一つだけ。

彼の頬を両手で包み込んだ。

「大丈夫。私、恭也を信じているから」
「さやか、ありがとう」

私たちが幸せになるために、私は恭也を信じて、変わらず好きでいる。

アルコールの香りがする恭也の唇に自分の唇を重ねた。

彼の体がビクッと揺れて、私の後頭部を押さえる。深いキスが何度も交わされて、呼吸が乱れていった。

私を抱くことで、彼を安心させたい。

彼に抱かれることで、安心したい。

同じ気持ちがあるからこそ、私たちは繋がっていられる。

「あ、ああ……恭也……」
「はあ……さやか……」

ひとつに溶け合い、愛を感じた。

誰も……私たちの邪魔をしないで……。
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