深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
私はパスタを咀嚼しながら、力なく頷いた。
 
「だろ? 話は食べてからにしよう。腹減ってるとさ、正常な判断もできないだろ?」
「フフッ、そうだね」

飾り気のない成瀬らしい言い方に思わず、笑みがこぼれた。

見た目は爽やかイケメンだけど、中身は全然違う。裏表なく誰にでも気さくに話しかけるし、豪快な感じだ。

最初話しかけられた時、見た目とのギャップに驚いたものだ。そんな成瀬を残念なイケメンだと言う人もいたが、私はかなり好感を抱いていた。

そう、かなりだ……。

食後のコーヒーを飲みながら、成瀬はちらりと私に視線を送った。

何かを言おうかどうしようかと、迷っている様子が感じ取れた。高校生の時みたいに、思っていることをすぐに言わないのは、大人になった証拠かな。

あの頃はちょっと空気を読まない部分もあった。でも、そういうところも成瀬の魅力だった。

「あのさ」
「うん?」

短い言い出しに、聞く姿勢を見せる。お腹が膨れたことで、振られて落ち込んでいた気持ちが少しだけ上向きになっている。

今なら、どんな話も普通に聞けるし、思い出話にも花を咲かせられるかも。

それに突然のプロポーズのことも、冷静に考えられそうだ。
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