フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
容姿並み、別にドジでもないし、優しさレベルも大したことない。その割に理想だけは高くて、イケメンと付き合いたいってよりもドキドキキュンキュンする恋がしたいって願望が強い。

そんな人一倍恋に恋する私は、案の定モテない。ステキな男子達が私を取り合うなんて、妄想の中以外あり得ないことなわけで。

だから、もう待たないことにした。

かといってガツガツいき過ぎても、引かれるだけ。

そこで私が作戦として思いついたのが「立ちそうな恋愛フラグを絶対見逃さない」ってことだった。

かの有名なネット百科事典には「フラグとは、後に特定の状況や展開を引き出すための伏線・おきまりのパターン」的な感じで書かれていた。

だから私が、恋が始まる前に起こる可能性の高い出来事や展開をいち早く察知して、それが上手く繋がるように行動すればきっと恋愛に繋がる…はず。

レンタルしまくって読み漁った少女漫画の中には、驚くほど鈍感でそのくせモテまくるヒロインもいたけど。なんで気付かないのか分からなくてイライラして、途中で読むのをやめた。

素晴らしい顔面も性格も持たない私だけど、恋愛に対するパッションだけは負けないんだから。

ちょっとした出来事も見逃さないで、フラグだって少々ひん曲げてでもステキな恋愛に繋げてやる。

そして、幸せそうにフニャフニャした女の子達の輪に私も入る。私もフニャフニャしたい。

当たり前の幸せなんて、この世にないんだから。自分で掴みにいかなきゃ、きっと誰も私を選んではくれない。
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