フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜
お父さんから許可をもらって、三苫さんと晩ご飯を食べに行くことになった。

普段、お父さんとはほとんど外食しないから、夕食を外でなんてちょっと新鮮だ。

「お友達とは、ご飯行かないの?」

「夜ご飯はあんまり行かないかもです。華も、一緒にウチで食べるってのはよくあるけど」

「華ちゃんって言うんだ、お友達」

「はい。というか、華しか友達いません」

「あはは、小夏ちゃんおもしろい」

三苫さん冗談だと思ってるっぽい。

「なに食べたい?」

「三苫さんは?」

「遠慮しなくていいから、小夏ちゃんの食べたいもの食べよう」

「ホントにいいんですか?じゃあ」

「うん」

「焼肉食べ放題、かな」

一瞬、ビックリしたような顔をされた。

「あ、引きました?」

「いや、小夏ちゃんらしいなぁって」

ん?それ、どういう意味だ?

「俺、全然意識されてないなぁ」

「なにがですか?」

「いや、いいんだ。いこっか、食べ放題」

いつもの穏やかな表情に、少しホッとした。

さっきの三苫さん、ちょっと知らない人みたいだったから。

でも、久々の焼肉食べ放題…

むくむくとテンションが上がっていった。
< 27 / 104 >

この作品をシェア

pagetop