犬猿☆ラブコンフリクト
練習試合が始まると、うちのチームの様子が変わった。
主に、二海と茂木先輩。
なんか、いつにも増して気合いが入っているみたい。
タイムアウトを取っても、ギラギラした目はそのままだった。
「なんか今日、皆気合い入ってない?」
スコアを書いている由紀がコソッと私に声をかけてくる。
確かに皆・・・というか、二海と茂木先輩が気合い入りまくってる気がする。
やけにさっき声かけてきた人たちマークしてるし。
「私もそう思ってた。特に二海と茂木先輩ね。・・・大会が近いからかな?」
「・・・私達にちょっかいかけたから、仕返しでもしてるのかも」
なーんてね、と冗談を話す由紀。
仕返し・・・ね。
茂木先輩ならありえるかも・・・由紀のこと好きみたいだし。
でもそれが気合入ってる理由なのだとしたら二海はなんでだろ。
由紀に気があるとか?
由紀と二海って同じ中学だって言ってたし。
だとしたらありえるかも・・・。
あの性悪二海が誰かのために頑張るなんて。
・・・なんか、それ考えるとちょっとモヤモヤするな。
モヤモヤする理由は分からないけど。
「理由はなんにせよ、気合いが入ってるならいいんじゃない?」
「それもそうね」
ピピーッ
私と由紀が話している間に、試合は終了した。
結果は私達のチームの圧勝。
何度か試合をしたけど、結果が変わることはなかった。
「お疲れ様です、先輩」
「あぁ、うん。ありがとう。茉弘ちゃんもお疲れ様」
タオルとボトルを手渡しながら、相手チームを見送った茂木先輩に声をかける。
タオルを首にかけてボトルを手に取る茂木先輩。
「なんか、今日気合い入ってましたね」
「え?あはは、バレちゃった?ちょっと、色々思うところがあってさ」
照れくさそうに頭をかく茂木先輩。
なんで照れくさそうにしてるんだろ・・・。
「思うところ?」