21トリソミー
「確かにね。施設の外にも地獄はあるからねー」

 奈子が私の顔をチラリと見て笑った。

「ひっど。バツイチを笑うなんて」

 奈子にむくれてみせると、

「イヤ、バツイチを笑ったわけではない。香澄の不幸を笑っただけ」

 奈子は私の顔を見て更に笑った。

「他人の不幸をわらうとか、ますます酷い」

 とは言ってみたが、最早逆に清々しい。

「まぁ、もう不幸は断ち切ったんだからいいじゃん」

 奈子が『まぁまぁ』と言いながら私の肩を摩った。

「うん。今は幸せしか抱えてない」

 赤子を撫でるように、両手をお腹に当てた。

 この子はこんなにも私を幸せな気持ちにしてくれる。

 だから私もこの子を絶対に幸せにするんだ。この子に何があろうとも。






 了 
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