21トリソミー
 自宅のある階に到着すると、「少しの散らかりであれ‼」と祈りながら鍵を開けた。

「どうぞ」と義両親にスリッパを差し出すと、二人が履き終わるのを待たずにリビングへ向かう。

 礼儀のなっていない女と思われるのも嫌だが、掃除の出来ないだらしのない女と言われる方がなんとなく嫌だ。

 幸い、ゴミは放置されずにゴミ箱の中にちゃんと入っていた。ただ、ゴミ箱の中のゴミを捨ててくれてはしておらず、パンパンだった。でも、それは見逃す。いちいち細かい女だと思われるのも癪だ。だけど、この名もなき家事を全部女の仕事だと認識されるのも嫌だ。そうなったら、「じゃあ私は仕事を辞めて家事をやるので、その分稼いできてくださいね」と専業主婦になってやる。などと、義両親の突然の来訪にザワついた心が、私を謎の戦闘モードにさせた。
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