21トリソミー
「ん? じゃあ、あのお弁当は何?」

 何も知らない私に質問されても、

「イヤ、こっちが聞きたい」

 知るはずがなかった。嫌な予感しかしない。

「……友樹が自分で作ってるとか?」

 奈子もきっと、友樹の浮気を疑ったのだろう。私を気遣って他の可能性を口にした。

「だから、ウチで曲げわっぱのお弁当箱なんか見たことない」

 フォークを持つ手が震えた。これは怒りなのか、悲しみなのか。ショックを受けたことは間違いない。

「……友樹の親が毎日届けてくれるのかな?」

 奈子は、私の心配を打ち消す言葉を探してくれるが、

「義実家、同じ県内だけどそんなに近くない」

 的が外れている分、余計に疑念を深める。

 友樹は誰から手作り弁当を受け取っているのだろう。
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