旅先恋愛~一夜の秘め事~
姉に電話で報告すると、母と同様の心配をされたが祝福してくれた。


彼の両親への挨拶も後日行う運びになった。

暁さんが私の両親への訪問日程も決まらないのに自身の実家にだけ先に挨拶するのは申し訳ないと、こだわったせいもある。

結婚を決めてから、暁さんの細やかな心遣いに何度も胸が熱くなった。

暁さんとともに過ごしているときに電話で彼の両親と初めて言葉を交わし、結婚の挨拶をした。

おふたりとも祝福してくださり、妊娠も驚かれたがとても喜んでくださった。

私の体を心配してくださり、検診も付き添うと言い出した義母に彼があっさり断っていた。


『母さんの気持ちは有難いけど、俺が付き添うからいい』


『あなたは忙しいし、女同士のほうがなにかといいのよ』


『母さん、単に赤ちゃんを見たいだけだろ』


『……本当、幾つになっても反抗期な息子ね』


ポンポンと言い合う様子に母子の仲の良さを感じた。

もちろん婚姻届の署名も快く引き受けてくださった。

ちなみに暁さんの弟には彼と一緒に電話で報告し、祝福を受けた。
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