旅先恋愛~一夜の秘め事~
「だったら、その短時間でどうして唯花は恋に落ちたのよ? なにが決定打になったわけ?」
「気づいたら好きになっていたの。ちょっとした仕草、発言や考え方、向けられる表情とか……いいな、素敵だな、と心が揺れるものがひとつひとつ積み重なって……少しずつ大きく膨らんでいったの」
イケメン御曹司という、物語のヒーローのような彼を好きにはならないと思っていた。
立場もなにもかも違う、分不相応な恋をするつもりもなかった。
それなのに無意識に姿を目で追って、捜して、声が聞きたいと願うようになっていた。
「でしょう? 恋に時間は関係ないの。そもそも恋愛は、この人を好きになると決めてするものじゃないでしょ。もしかしたら椿森副社長も同じなのかもよ?」
ゆっくり上を向くと、ハトコは小首を傾げて私を見つめる。
「……わかった。きちんと尋ねてみる」
「そうね。結果はもちろん、悩んだらいつでも言ってね。唯花はすぐにネガティブ
になるから、ひとりで抱え込んじゃダメよ」
ハトコの助言に素直にうなずく。
緩やかに弧を描く麗の優しい表情に背中を押され、少しだけ気分が明るくなった。
「気づいたら好きになっていたの。ちょっとした仕草、発言や考え方、向けられる表情とか……いいな、素敵だな、と心が揺れるものがひとつひとつ積み重なって……少しずつ大きく膨らんでいったの」
イケメン御曹司という、物語のヒーローのような彼を好きにはならないと思っていた。
立場もなにもかも違う、分不相応な恋をするつもりもなかった。
それなのに無意識に姿を目で追って、捜して、声が聞きたいと願うようになっていた。
「でしょう? 恋に時間は関係ないの。そもそも恋愛は、この人を好きになると決めてするものじゃないでしょ。もしかしたら椿森副社長も同じなのかもよ?」
ゆっくり上を向くと、ハトコは小首を傾げて私を見つめる。
「……わかった。きちんと尋ねてみる」
「そうね。結果はもちろん、悩んだらいつでも言ってね。唯花はすぐにネガティブ
になるから、ひとりで抱え込んじゃダメよ」
ハトコの助言に素直にうなずく。
緩やかに弧を描く麗の優しい表情に背中を押され、少しだけ気分が明るくなった。