訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
「それと、これ」
差し出された紙袋。
「何?」
中を覗くと女性物の靴。

これって・・・
「麗華が行ったことを気にして?」
「そう言うわけじゃないが、家族が悪く言われるのって悔しいじゃないか。だから、靴だけでもと思って帰りに買ってきた。知り合いの店で選んでもらったから、気に入らなければ交換もできるらしい」
「ありがとうございます」

淳之介さんが言った『家族』って表現に引っ掛かったけれど、きっと同居する者って意味だろうと聞き流すことにした。

「あれ?」
袋の中からもう一つ包みが出てきた。
「それは、かわいかったからついでだ。よかったら使って」

小さくて細長い箱の中から出てきたのはハートのペンダント。

「うわー、かわいい」
「普段アクセサリーってつけてないから、たまにはいいかなと思ってね。心配しないで、高い物じゃないから」
「うれしい。大切にします」

たとえこの生活が終わってもずっと大切にしますと心に誓った。
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