クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
食べ終わって凛久のお願いに負け、私は一緒に湯船につかっていた。
二人で入っても十分な大きさのジャグジーなのに、凛久は私を後ろから抱きしめて離さない。
「瑠璃、本当に佐野とはなにもないんだよな?」
ストッパーが無くなった凛久は私の手を弄びながら尋ねてくる。
「ないよ。ただ同じ時期に入ったってだけ。それより和泉さんは?」
「はあ? さっきも言ってたけど和泉の苗字知ってる?」
「え?」
てっきり和泉が苗字だと思っていた私は、凛久を振り返った。
「和泉が苗字じゃないの?」
「瑠璃は知らなかったのか」
クスクスと少しイジワルそうに言うと、凛久はキュッと私を抱きしめる。
「やきもちを焼いてくれるのが嬉しいから言いたくないけど」
「なに? 教えて」
不安になりたくないし、疑わなくていいのならそれに越したことはない。
「安村だよ、安村和泉」
笑いながら言った凛久の言葉を頭の中で繰り返す。安村、安村?