クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
ボロボロと零れる涙。なんとか彼に知られないように声を押し殺す。
凛久さんが触れた唇はまだ感触が残っている。私はどうすればいいの。
彼のために、何をすればいいの。

いくら考えても、泣いてももちろん答えなどでない。
乱暴に自分の涙を拭うと、久しぶりに私は自分の部屋に閉じこもって泣き続けた。

そのまま、食事をする気にもならず、私は自分の部屋で一晩過ごした。
この家を出ることも考えたが、実家に行っても心配をさせるだろうし、明日はバイトもある。

どこかに行くこともできないし、何も解決をしないまま逃げることも憚られた。
まだ凛久さんが起きるには早い、早朝六時。喉が渇いて私はキッチンへと向かった。

冷蔵庫を開けてミネラルウォーターをグラスに注ぎ一気に飲み干した。
いくら何かがあったからと言って、家のことはやらなければと朝食を作ろうとしてすぐに気づいた。
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