クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
どうして今、こんなことになっているかわからないし、凛久さんの行動の意味など全く分からない。

でも、心のどこかで好きな人に触れられることを喜んでいる自分がいる。
どうせ離婚をするのならば、一度ぐらい彼との思い出を望んでもいい?
そんな思いで私はもう一度唇に戻ってきたキスに答えるように、凛久さんの首に手を回した。

「瑠璃?」
そんな私に驚いたように彼はキスをやめ、私を見下ろした。

「脱がすためだったのなら、脱がしてください。それぐらいしか私にはできません」

そう伝えた私に、凛久さんはおもむろに自分の髪をぐしゃぐしゃにすると私から距離を取る。

「いい」
吐き捨てるように聞こえた声に、私は自分の言った言葉が間違っていたことを知る。

好きでもない女。抱けないよね。
罰するようなキスも、ただ気の迷いだろう。

彼が自分の部屋に入って行ってしまったのを確認すると、私はその場に崩れ落ちた。
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