クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
パソコンから顔を上げて立ち上がると、私の方へと歩いてきて顔を覗き込む。

「あっ、なんというか……」

「彼と喧嘩でもしたの?」
ズバッと確信を付かれ、私は「えっ」と声を上げた。凛久さんとのことは事情が事情なだけに誰にも話していなかったのだ。

「なんか雰囲気変わったなって思ってたの。かわいくなったていうか」
確かにバイトを掛け持ちしてがむしゃらに働くこともなくなったし、凛久さんと住み始めてから自分の美容にも気をつけだしたのは本当だ。
でも、まさかそんなにわかりやすかったかと恥ずかしくなる。

「え、上月、男できたの?」
後ろから聞こえた声に、私は驚いて振り返った。

「佐野君、おはよう」
店長の声に、私も彼に笑顔を向けた。

「瑞樹君、おはよう」
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