忘れたまんまの君がポケットに入れていたのは青い日の恋かもしれないと先生は云った

先生あのね、卒業してからの通学ってね。

ほんとだよ?先生。

高校の通学電車で、
たまたま同じ時間に乗るように
なってからだと思うのね。


先生は知ってたのかな。
ナガレとシュウジロウが
塾の後に、
わたしの事を
わざわざ自転車を押して
送ってくれていた
って。
知ってたの?!最近知ったの?
なんだー、つまんない。

先生をもっと驚かせたかったー。
残念でしたーって?
もう!!


あのね、きっとその時、
塾の帰りから、
ナガレの事を優しいなあ
って、思ってたのかも。

最初は、後ろでやたら
うるさいレオに注意してくる
真面目な子だなって思うぐらい
だったと、思う。

でもね、
あー、先生だから言えるけれど

卒業する頃の塾終わりって
寒い時期で、
真っ暗だから

そんな中を3人
自転車を押しながら、
ナガレとシュウジロウが
ふざけあって送ってくれるの
嬉しかった。

やっぱり暗くて、
不安だったから。

でも、3人で歩くと
なんだか
寒い夜なのに
いつの間にか、
暖かくて優しいタオルに
包まれるみたいな
気持ちになるんだよね。

そうして帰る道は
冬の空に、
星が綺麗で、
楽しいような、
恥ずかしいみたいな。

あの、時
初めてだったんだよね。
男の子に送ってもらうの。

いろいろあって、あの時。
女の子って守ってもらうのが
なかったから。

あ、何?先生!
あのね、小説家希望の先生だから
正直な気持ち、
恥ずかしいけど教えたんだから。

可愛いなあ、とか止めてよね。
気持ち悪いよ先生。
うそ詩人みたい?
やめてー、照れる。
これ黒歴史になるー。

あ、
先生の頃も
同じだったのかなあ。
通学の電車って、
わたし達みたいに街まで
でるのに、
ラッシュだったでしょ?

だから、1人しか受験してない
高校に受かって
通うのも、ひとりで。

最初、嫌だったよ。
だって、動けないぐらい
なんだよ電車の中。
やっぱり心配で。
実際、チカン?みたいな
感じ、あったりしてね。

でも、ちょうどナガレが
同じ電車に乗ってるのが
わかって。
ちょっと安心した。

入学して何日かで、
何かあったら助けるからって、
ナガレが
気を使ってくれて、
電車で携帯の交換したから。

それからかな。

気が付いたら、
同じ車両で一緒になることが
多くなったのね。

でも、お互い
同じ沿線で通う学校の
通学友達とかも
出来てきて、遠巻きに
乗ってるなあーって、感じ。

ちょっと不思議だったなあ。
ほら塾の時って、
男子は基本、後ろでしょ?
男の子同士で話すのを、
見るのってなかったから。

送ってくれる時は、
やっぱり3人で話していたしね。

混んでる電車の人越しに、
通学友達と笑ってる、
ナガレを見るの新鮮で。

知ってた先生?
ナガレって、
すごく笑うと八重歯が
上片方だけあって、見えるの。

塾の時とか、
真面目な感じだったから
可愛いとこあるんだって、
端から見て思った。

え?何が、きっかけかって?
付き合うの?

うーん。
はっきりとは、あの時かも。
文化祭。

高校入って秋にあった、文化祭。

通学友達と話してたら、
電車でナガレが
わざわざやって来て、

わたしの学校の文化祭の券を
くれないかって、言われたの。

わたし達の学校、特殊学科ばかり
でしょ?
けっこう街の学校で有名なんだよ
文化祭が派手で。

だから、
こっちの友達にも券を頼まれた
もんね。

代わりに、
ナガレの男子校の学園祭の券、
通学友達分もらって。

皆んなで
初男子校に行って!
ドキドキしたなあ。

ナガレ達も通学友達を連れて、
こっちの学校に来てくれたり
したし。

それでね、
ナガレのクラスの出し物が、
手作りプラネタリウムだったのね。
手作りだから、定員2人なんだよ。笑っちゃうよね。

通学友達同士で、ペアで入って
その時に、
ナガレが

誰にでも学祭の券あげたり、
もらいに行ったり
しないからって、
言われて。

最初何言われてるか、
わからなかったよ。

サユちゃんだから
学校行きたかったし、
学祭、見に来て欲しかった。

って。

明後日からは、彼女になって
一緒に電車のって欲しい。

って。言われた。

電車で通ううちに、
ナガレって、好意、?
あるのかなって、思ってたから
ビックリはしなかったし、
いつの間にか
わたしも、惹かれていたから
ナチュラルに、
お願いしますって。
答えてたな。

でも頬ドキドキした。

ナガレが、
プラネタリウムの中で、

電車の時間と入口を決めて
毎日一緒に通学することに
なったんだよね。









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