どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
「予想通りだったねぇ。新井君、入社してからずっと好きだったと思うよ」
「吉岡先輩ってすごいですね。私全然気付いてなくて……傷つけたかなって気がしてます」
「それは仕方がないの。恋愛には勝者と敗者がいて当たり前。あんたが新井君を選べば、社長が泣くことになるんだから、そこに罪悪感はなしなし!」
わかりやすく心に響いた吉岡先輩の言葉。
「イケメンだし、すぐ彼女できるよ」
「ですかね。今は仕事に集中したいって言ってました」
「あれ、佐竹抜かされるだろうね。仕事できるもん」
「佐竹さんも、今月すごい頑張ってますよね」
営業として独り立ちしようとしている佐竹さんは、立派な営業マンの顔になっている。
「あたしに認められたいんだって。あたし、仕事できる人いっぱい見てきたから、辛口だしね」
「佐竹さんに愛されてますね」
風に吹かれた吉岡先輩のロングヘアが私の頬をさらりと掠める。
ふと見た横顔がとても綺麗で見とれてしまった。
無礼講というだけあって、本当にいろんな部署の人がいろんな場所にいて、とても和やかな雰囲気だった。