どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love28 秘密のテント
Love.28 秘密のテント


その夜、私と吉岡先輩は、小さな三角のかわいいテントでふたりで眠ることになった。


「ごめんね、私の力不足で」

「何言ってるんですか!ふたりのおかげでたくさん思い出が出来ました」

「テントでエッチ……ムフフって佐竹と話してたんだけど、それはまた今度しなよ」

「えっ!!もうっ何言ってるんですか」

「4人でキャンプ行けるよ!また」


そんな日が来ればいいな。

遠い夢だけど、佐竹さんと吉岡先輩が結婚して、私と圭史さんも……。

お互い子供を連れて、キャンプできたらどんなに幸せだろう。



「じゃ、寝よっか」

「はい。案外みんな早く寝ちゃいましたね」


0時を回り、ランタンの灯りを消した。

酔っ払った男性陣は、もう眠ってしまったようで静かだった。


「あれ?何、この光」


テントの中に光が入ってきた。


「誰か来たのかな」


一瞬期待したけど、まさかね……。


「万由、起きてる?」


その声の主は、私の求めている人だった。


テントの入り口のチャックを開けると、身をかがめて圭史さんが入ってきた。


「え、ええええ?」


私が叫ぶと、圭史さんは懐中電灯で自分の顔を照らしながら、シーっと指を立てた。


「吉岡、悪いな」

「OK!じゃ、1時間後に戻ってくるからちゃんとパンツはいといてよ」

「バカ!そんなことしねぇし」


ふたりのやり取りを聞いていて、ただただ私はびっくり。



「もしかして、計画的?」

ときくと、ふたりは顔を見合わせてニヤリと笑った。


吉岡先輩は、佐竹さんと夜の散歩に行くと行って出て行った。

なんて、優しい人たちなんだろう。





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