どっぷり愛して~イケメン社長と秘密の残業~
Love16 水族館デート
Love.16 水族館デート


吉岡先輩から話を聞いてから1週間後のことだった。

土曜に時間が取れたから、と急にデートすることになった。


車で海沿いを走りながら、心地よい音楽を聴いて、隣には圭史さんがいて。

幸せなはずなのに、頭の中は吉岡先輩のことでいっぱいだった。



余計なお世話なのかもしれない。

今、幸せなんだから、波風を立てない方がいいのかもしれない。

何が正解かはわからないし、私の自己満足かもしれない。

もしかしたら、自分の不安を消すためなのかもしれない。



「圭史さん、吉岡先輩とちゃんと話してみてはどうですか」

「ん?どした、急に」

「お互いに好きだったのに、このままでいいのかなって」

「……お前、どうかしたか?何年も前の話だぞ。それに、今、俺が好きなのは万由なんだから、それでいいじゃん」


圭史さんは右手でハンドルを握る。

左手は、私にちょっかいを出したり、自分の髪を触ったり、よく動く。


「……なにがあった?」

「吉岡先輩も、圭史さんも心の中でモヤモヤしてたりしないのかなって」

「俺は、今は話すこともあまりないけど、完全に友達というのもおかしいけど、普通にいい関係だと思う。今更あの頃のことを蒸し返しても、お互いに笑っちゃうと思うよ」

「そうですよね、私、どうかしてました」

「いや、まぁお前優しいからな。吉岡のことも好きだから、いろんなこと考えたんだろ?でも、今彼氏できたんだし、それでいいんじゃないか」

「はい。ごめんなさい。変なこと言って」



伸びてきた左手が、頭の上で跳ねる。

そして、それが胸へと下りてきて、私は体全体で窓側へとよける。


「え~、逃げるなよ。最近全然触ってないのに」

「まだ、昼の2時ですよ」

「時間関係ないだろ。ふん」

「っていうか、運転中危ないです」


とイチャイチャしながら、ドライブを楽しんだ。






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