隣のブルーバード
 昨日ブーケを作りながら、わたしの頭のなかに浮かんでいたのは、これまで裕生と過ごしてきた日々の、さまざまな場面だった。

 不安そうにソファーに座っていた、5歳の裕生。

 泊まりにきたとき、お母さんを想って、夜中に涙をこぼしていた裕生。

 態度は冷ややかだけど、いつもそれとなく励ましてくれた裕生。

 感情を爆発させて、わたしに気持ちを伝えてくれた……裕生。


 一緒にいたい。
 離れられない。ぜったいに。

 この気持ちに嘘はない。

 それだけで充分なんだ。


 スグ先輩が言っていたとおり。
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