大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
「文子さんも美世子さんも、なんとなくうまくいっててよかったです」
今日、文子たちを見送ってきたという咲子が微笑んで言う。
食後にショートケーキを食べながら、行正は思っていた。
俺たちはうまくいっているのだろうかな、と。
祠にはうまくいくよう祈ったんだが……。
そこで、咲子が、
「でも、船での二人旅とか素敵ですね」
と言うので言ってみた。
「俺たちも行ってみるか」
「えっ?」
「ロンドンは無理だが、神戸とか長崎とか」
「素敵ですねっ」
と言いかけた咲子だが、そこで表情をくもらせる。