大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 そちらを見ながら、
「行正さん」
と呼びかけると、

「どうした。
 今度はどんな理由により、明日は晴れだ?」
と行正が訊いてくる。

「違いますよ~。
 行正さんが星座早見を買ってくれたので、私も星座、わかるようになったんですよ。

 あれこそ、はくちょう座ですっ」
と咲子は空の一点を指差した。

「やぎ座だ」

 どうやって間違えた……?
と言いながらも、行正は空を指したまま、情なげな顔をしている咲子に笑うと――

 そっと頬にキスしてきた。


                             完

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