妖怪ホテルと加齢臭問題・その後の小話・オトナの現実と何とかの糸
真剣な顔をして、吐き出すように、言葉を続ける天音の顔を
久遠は、ハトが豆鉄砲をくらったがごとく、あっけにとられて見ていた。

「・・こども・・「にんち」って何?」
ああ、
インターナショナル男は、
言葉を知らなかったのか・・・
天音は、拍子抜けしたように
久遠の顔を見つめた。

それから、天音は、
噛んで含めるように、ゆっくりと言った。

「認知っていうのは・・
日本の法律で正式な結婚では
なく、生まれたこどもの父親を、
戸籍上に記載してもらうことです。
それで、父親として、
子どもに対しては、養育の責任が生じるから」

「そうなのか、天音ちゃん、
もう子どもの事まで、考えていたのか」
久遠は口に手を当てて、感心したように言った。

あたりまえだよ。
一緒にいて、やることやれば、
妊娠する可能性が高いじゃん。
妊娠するのは、私なんだよねっ!!
心の中で怒涛のごとく、叫んでいた。
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