妖怪ホテルと加齢臭問題・その後の小話・オトナの現実と何とかの糸
大型わんこは、グイグイ押してくる。
人の顔を、尻尾を振りながら、
ベロベロなめてくるつもりだ。

天音は飼い主として、
年上として、分別を見せねばと思った。

「物事には順番があって、
まず、ご飯を食べるべきでしょう?」

「天音ちゃんは、腹減っていたのか!」
そう言いながら、久遠がクスクス笑って、車のドアを開けてくれた。

天音が、車の助手席に乗り込むと、あの、ダルシマーの音楽が
流れている。

「ご飯を食べたらさぁ・・」
久遠が、運転席のシートベルトを閉めながら、
不安そうに天音を、横目でチラッと見た。

天音は、ため息交じりの飼い主
モードで
「一緒に、お家に帰りますよ」
その答えを聞くと、
「そうだよね!!絶対そうだよね!!」

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