婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
目の前で弱いものから淘汰されていく。
冷たくなった体はまるで塵のように土に埋められて終わり。
「どうしてこんな事に……!」
そう言って大人達は泣いていたけれど、その問いに答えるならば「弱いから」その一言に尽きるのだろう。

シスターは「争いはいけません」と言っていたけれど、争わなければ生きる権利すら得られないのだ。

そんなシスター達は、裏で寄付された金で好き放題している事は知っていた。
皆、知っていたけど黙っていた。

にこにこと笑顔の裏に隠れている悪魔のような素顔を見ても誰も何も言わなかった。
言ったところで無駄になる……それどころか触れてしまえば此処にはいられない。

誰かが「狡い」と泣いた。
その子は次の日、居なくなっていた。

(あーあ、馬鹿な子……)

生き延びるだけで精一杯だった。

そんな中で男勝りの女の子も居たけれど、成長するにつれて立場が逆転していく。
その事に早く気付けたのは本当に良かったと思う。

自分の容姿が役に立つと気付いてからは、もう強くある必要はなかった。

弱くたって、力がなくたって、強い人に頼れば簡単に手に入る。
その為には沢山笑って、機嫌をよく見て、相手を褒める。

その内、一人に頼りきってはいけないと気付いた。
その子が潰れたら変わりがいなくちゃダメだと学んだ。
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