婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜

そう思って日々、自分が出来る精一杯の事を頑張ってきたが、パトリックとの仲は一向に良くならなかったが、ずっと婚姻関係は続いていた。
しかし、そんな日々に終わりが訪れる。

"ローズマリー・シーア“
シーア侯爵が孤児院から迎え入れた養女である彼女は、花を生み出せる特殊な魔法を使った。
平民が魔力を持って生まれてくる事は、本当に珍しい事で奇跡に近いとされていた。
そんなローズマリーは"花の乙女"の称号を獲得する予定だと聞いた。

"~の乙女"はその属性で一番強い力を持っている女性に与えられる称号だった。
これを承ると結婚に有利になる為、貴族の令嬢達は幼い頃から魔力を高めるために懸命に努力している。
それはマデリーンも同じだった。
そして、その中でも特別視されるのは、その人だけしか使えない特殊な魔法を使う存在である。

それはパトリックの弟である、この国の第二王子である"ドウェイン・ドレ・ガイナ"がいい例だろう。
彼は、この国でも発現したことのない毒魔法の使い手だった。
王族にも関わらず、髪の色は黒、瞳の色は紫色だった。
王族の魔法属性と色を継げなかった事で、随分と肩身の狭い思いをしていたそうだ。

けれどその事に挫ける事なく、懸命に努力しているドウェインは逆境を跳ね除けて民の役に立つ為に動いていた。
そんな彼を、心から尊敬していた。
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