婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
そっとサイドテーブルに封筒とメモを置いて、絵本は元の場所へと戻す。
あの日記帳は、誰にも見つからない場所にしまい込んだ。
ゴシゴシと目元を擦りながら涙を拭った。

そして、立ち上がった。

(……全て、捨ててしまえ。この状況を全てひっくり返す為にッ!!)

勢いよく窓を開けた。
冷たい海風が、やめろとばかりに部屋に吹き込んで髪を揺らした。
夜の海は不気味ではあるが怖くはなかった。

(わたくしなら大丈夫……!絶対に上手くいく!!)

言い聞かせるようにして胸に手を当てた。
侍女達のあの様子を見るに、また直ぐに部屋を訪れてくるに違いない。
窓は全開にしておいた方がいいだろう。

靴を脱いでから、窓の淵に立った。



ーーーそして、窓から海に向かって飛び込んだのだった。
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