婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
そう確信していると横にいるドウェインから軽蔑した眼差しを感じた。
此方も負けじと睨み返す。

あの後風魔法を使い、ウォルリナ公爵邸に直ぐに連絡を取ると、すぐに返事が返ってきた。

城や各貴族達の元には色々な魔法属性を持つものが勤めている。
大抵、家を継ぐ者以外は分家で魔法を利用して働くこととなる。
だからこそ、男女共に魔法を磨く為に余念がない。

より魔力が強い者を後継にという貴族達が少なくない。
また王家のやり方に則って、長子が家を継ぐとは限らないのが、この国の特徴ともいえるだろう。

更に令嬢達は、より優秀な者の元に嫁ごうと必死である。
乙女の称号を獲得すればさらに有利となる。
そんな環境もあってか、強気で負けず嫌いな令嬢が多い。
その中にはマデリーンも含まれている。

だからこそローズマリーの優しさや柔らかさは特別に思えた。
ガツガツと迫ってくる男勝りの令嬢達の中で唯一、輝きを放つ花なのだ。

(やはりローズマリーこそ、この国を継ぐ俺に相応しい相手だ……!)

今日も明日もローズマリーに会えないのは憂鬱だが、嫌なことはさっさと済ませるに限る。
明日に備えて眠りについた。

これから追い詰められることになるとは知らずに……。
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