婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
手に握られているのは上を向いて咲き誇る向日葵の花だった。

(マデリーンがこんな温かみのある花を好きだと?信じられない……)

イメージ的に言えば百合や薔薇などの派手で香りの強い花を好みそうではあるが……向日葵が好きなどと半信半疑であった。
マデリーンが好きな花など、今まで一度も気にしたこともなかった。

宝石やアクセサリーをあげたとしても淡々としているマデリーンが花をあげただけで喜ぶとは思えなかった。
「……民から頂く税は大切に使わねばなりません」と、寂しげな表情で言うマデリーンは、もっと欲しいと強請るローズマリーと比べて本当に詰まらない反応を示す。

それに何も用意せずに手ぶらでやってきた自分に対しての当てつけのように感じていた。
「昨日の今日で用意出来なかった」と言い訳しようとしていたがドウェインのせいで、それも言えなくなってしまうではないか。

(チッ……気の使えない奴め)

ウォルリナ公爵に今更媚を売ろうとしても、ドウェインは王位を手にすることは出来ない。
無駄になるだけと鼻で笑っていた。

(俺よりも優れているなどと思っているならば大間違いだ。お前は最初から負けている……敗者なんだよ)
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