恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
絢斗が弟の両肩に手を置いて悪戯っぽく目を光らせる。
そんな請け合って大丈夫なの?
まだ、歩には絢斗と恋人になったとは伝えていない。
付き合い始めたばかりだし、やはり弟に伝えるとなると慎重になる。
 でも、絢斗は無責任なことを言う人じゃない。
 ジーッと絢斗を見ていたら、歩が無邪気に笑って見せる。
「そうだね。だったら嬉しいな」
 この笑顔、なんだか歩らしくない。子供っぽいんだけど。
 ひょっとして私と絢斗の関係に気づいている?
 歩って結構鋭いんだよね。
 弟に目をやったら、目が合って聞かれた。
「美鈴はサンタさんになにをお願いするの?」 
「お姉ちゃんはもう大人だからサンタさんは来ないよ」
 ハハッと笑って返すが、絢斗が優しく提案した。
「そんなことないかもしれないよ。お願いしてみたら?」
「物じゃないの。ずっと三人でこんな風に過ごせたらいいなって思う」
 自分の願望を口にしたら、絢斗がクスッと微笑んだ。
「美鈴は本当に欲がないな」
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