断罪された公爵令嬢は元婚約者の兄からの溺愛に囚われる

 ルナたちが旅立ってから半刻ほど経った。皇城に持っていく、必要なものを選んでいると外が騒がしくなってくる。窓を覗くと皇城の馬車が何台もやってきたようだ。

(いつもより馬車の数が多いみたい……)

 不思議に思っていると、ドタバタと物々しげな足音が聞こえてきた。その足音がわたくしの私室へと向かってくる。
 事情聴取のために、皇城から人が来たのだろうけど……。何やら違和感を感じて身構えると、ノックの後すぐに扉が開かれた。

「ヴィー!! いるか!?」
「ジャック、さま……?」



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